概要
昨今の製造業のビジネス環境はグローバル化やコモディティ化が進み、製品の高品質化、品質保証のため顧客要求や品質規格への適合が求められています。
産業界で広く運用されるISO 9001や、IATF 16949(自動車) ASTM E3022などの品質マネジメントシステムや品質規格では、品質管理に用いる測定器の厳格な管理を要求されています。
測定器の管理は、製品の検査結果や測定結果の信頼性を得るために、国家標準や国際標準へトレーサブルであることや、適切な校正方法による「校正の品質」が担保されることも含まれます。
ISO/IEC 17025認定はこの「校正の品質」が担保される事を認定機関が認定したもので、校正結果は各種品質マネジメントシステムや品質規格の要求事項を満たすことができます。
紫外放射照度計(紫外線照度計)を用いて紫外線の露光量管理を行っているお客様においても、ISO/IEC 17025認定校正(JCSS校正)によりお客様は各種品質マネジメントシステムや品質規格へ適合することができます。
当社は唯一※の紫外線照度計のJCSS校正事業者として校正サービスを開始いたしました。
※2025/7現在
JCSS校正サービス
当社のJCSS校正サービスは、自社製品を中心に行っています。
JCSS校正に調整を含む一般校正をセットでご依頼いただくことで、標準値に近い校正値を示すことができます。
校正依頼は「校正依頼書」をご記入の上、<メールフォーム>からご連絡ください。
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校正品目
当社が提供するISO/IEC 17025認定校正サービス
認定範囲 JCSS、ISO/IEC 17025認定範囲
ISO/IEC 17025認定校正対象品目
UV-LED-01/UV-LED-CS01、UV-LED-01/UV-LED-CS02 その他当社指定機種
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校正とは
製造業での製造ラインの調整や製品検査、食品の内容量の表示など様々なシーンで使用される測定器で正しい測定が行えることは、測定結果の影響力を考えると大変重要です。測定器も「諸行無常」=「形ある物はいつか壊れる」の言葉の通り、変化や破損により正しい測定が行えない可能性があります。
一般に測定器の健康診断である校正によって、正しい測定ができる事を確認し、信頼性を担保しています。
校正では、より確かな標準測定器と測り比べることで、校正対象機器の状態を明らかにし、校正依頼者に報告します。
校正依頼者はこの校正結果を基に測定器の状態を把握し、業務に活用します。
校正と健康診断は以下の関係性に例えることができます。

健康診断が治療行為を含まないように、本来は「校正」に測定器の修理や調整を含みませんが、当社のように測定器のメーカでは校正と修理や調整をパッケージにしてサービスを提供している場合もあります。
①受入後に校正を実施、
②①の校正結果を基に標準測定器の指示値に近づけるための調整を実施
③調整後の校正を実施
また、健康診断は実施日の健康状態のみの結果であって、それ以外の健康状態を必ずしも反映していません。校正の他に日常点検等を活用して校正された状態からの変化を監視し、適切に測定できることを確認する必要があります
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ISO/IEC 17025規格
ISO/IEC 17025はISO 9001をベースに試験所、校正機関に対する固有の要求事項を加えた「試験所及び校正機関の能⼒に関する⼀般要求事項」で、国際標準化機構(ISO)と国際電気標準会議(IEC)によって策定れました。
認定機関からISO/IEC 17025の認定を受けた校正機関は、トレーサビリティの確保や校正能力の技術面、リスクマネジメントや、適切な組織運営などの品質面の2つの側面で校正結果の信頼性を証明できます。
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JCSS校正とは
JCSS校正は、計量の基盤インフラであるJCSS制度の下に行われる校正で、国家計量標準へトレーサビリティが確保されています。
JCSS校正と他のISO/IEC 17025認定校正と共通点は以下の通りです。
・ISO/IEC 17025認定校正である。
・国際MRAに対応する場合校正結果が国際的に受け入れられ、海外の顧客に対しても適切な校正を実施している事を証明できる。
JCSS校正と他のISO/IEC 17025認定校正と異なる点は以下の通りです。
・国が校正事業者のISO/IEC 17025への適合を審査する。
・計量法、国の指針に基づいて校正サービスや校正事業の運用を行う。
・(基本的に)日本の国家計量標準に対してトレーサブルである必要がある。
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計量トレーサビリティとは
校正を実施する校正機関も、標準測定器の健康診断である校正を行う必要があります。
校正機関が所有する標準計測器も「被校正測定器の校正結果」の信頼性が担保できるように、国家標準機関や上位機関に校正依頼者として校正を依頼します。
国家標準機関や上位機関では、この標準計測器を国家計量標準等と測り比べを行うことで標準計測器の状態を明らかにし、校正依頼者に報告します。
このように依頼者から見たときの校正の連鎖を「計量トレーサビリティ」と呼び、多くの場合国家計量標準にたどり着くため「国家計量標準にトレーサブル」といった表現をします。
当社のJCSS校正サービスは日本の国家計量標準機関である(国研)産業技術総合研究所にトレーサブルであるため、当社のJCSS校正サービスを受けた測定器も「国家計量標準にトレーサブルな測定器」、「産総研トレーサブル」ということができます。
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ISO/IEC 17025認定校正
健康診断は適切な技量を資格によって証明された医師、看護師、検査技師が行うことで「健康診断結果」の信頼性が担保されます。
ISO/IEC 17025認定校正は、厳正な審査によってISO/IEC 17025認定された校正機関によって行われる、「校正結果」の信頼性が担保された校正です。
各種の品質マネジメントシステムでは使用される測定器について「適切な校正の実施」を求められていますが、これを主張する場合には、品質マネジメントシステムに則った校正を実施する必要があります。
ISO/IEC 17025認定校正を行う校正機関は、第三者である審査機関から校正技術や品質マネジメント等の校正能力について認められていることから、測定結果、検査結果に信頼性が生まれます。
ISO 9001や、IATF 16949(自動車) ASTM E3022 などの品質マネジメントシステムや規格を運用している場合、測定器の管理に関する要求事項に適合している必要があります。
認証機関による審査や、顧客による監査において、ISO/IEC 17025認定校正により発行される校正証明書を提示することで、測定器の管理に関する要求に適合している事を簡便に証明することができます。
また、IATF 16949(自動車)ではISO/IEC 17025認定校正を受けることが要求事項として明記されています。
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ISO/IEC 17025認定校正を受けるメリット
測定器を用いた調整や点検、検査結果の信頼性には、測定器が適切に管理されている必要があり、精度、安定性の他に校正の信頼性も重要な要素です。
多くの品質マネジメントシステムの測定器に関する規定では、校正に関する記述が含まれているのはこのためです。
顧客に対して、自身が製造した製品の品質を訴求したい場合、製造プロセスや、最終検査で使用する測定器がISO/IEC 17025認定校正を受け、適切に管理されていることを示す必要があります。
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JCSSとは
たとえば量販店で単三電池を買う場合、どのメーカの製品をいつ購入しても同様に使用できるのは、統一され維持された長さや電圧の基準によって製造されるからです。仮にメーカごとや、製造年によって製造ラインの測定器の測定結果が異なってしまうと、安定して同一のものを作れずに相性や機器の故障が生じてしまいます。
長さ、重さ、電圧、光などの計量の扱いが国内でバラバラであると商工業の振興や国民の安全に不都合が生じてしまうため、国が基盤インフラとして「計量法に基づく計量法トレーサビリティ制度」JCSS(Japan Calibration Service System)を運用しています。
JCSSは2つの制度により構成されています。
①
「国家計量標準」を国が指定して供給させる制度
国内の計量が統一されるためには、基準となる信頼性の高い標準器が必要です。
多くの場合、国の機関である(国研)産業技術総合研究所が国家計量標準としてこれを維持所有しています。主に「JCSS登録事業者」に対して校正サービスを通じて計量標準を提供します。
②
「国家計量標準」の社会への配布のため校正事業者に「お墨付き」を与える制度
国家計量標準を所有する産業技術総合研究所が国内の全ての測定器を校正することが理想的ですが、膨大な数の測定器の校正を一機関が行うのは現実的ではありません。信頼のおける校正事業者に「お墨付き」を与え「国家計量標準の配付役」としての機能を任せることで円滑な計量の統一を目的としています。このため国がISO/IEC 17025に基づいて審査し、「JCSS登録事業者」として認定登録します。
校正事業者は「お墨付き」を得た証に、校正証明書に「JCSS」のシンボルを掲載することができます。


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